April 30, 2006

タリウム混入事件を考える…

毒物及び劇物取締法について

Q.毒物、劇物とはどのような物なのでしょうか?

A.毒物・劇物とは、厚生労働省が定めたもので医薬品及び医薬部外品以外のものをいいます。名前からも容易に想像できると思いますが、取り扱いや販売に関して専門的な知識のある有資格者がいなければなりません。製造や販売の際にも、厚生労働大臣や都道府県知事などに申請を出し登録を受けなければなりません。(第4条)販売業の登録にはいくつか種類があります。一般販売業、農業用品目販売業、特定品目販売業です。(第4条の2)薬局で毒物・劇物を購入される際にはこれらの販売業者の登録票があるはずです。薬剤師に聞いてみてはいかがでしょうか?そして、先程お話した有資格者の名称は毒物劇物取扱責任者と呼ばれています。この資格を持つことができるのは、1.薬剤師、2.厚生労働省令で定める学校で応用科学に関する学科を修了した者、3.都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者と決められています。(第8条1項)

Q.毒物や劇物には、販売や交付の制限があるということですが。

A.毒物・劇物を購入する場合には、購入者が販売業者に対して氏名・職業・住所を記載して、印を捺した書面を提出しなければなりません。また、販売業者は交付した毒劇物の名称及び数量、販売の日付と購入者の提出した書面を販売した日から5年間保存することになっています。(第14条)18歳未満の者、麻薬や覚せい剤の中毒者には毒劇物を販売することができません。そして、特に引火性・発火性又は爆発性のある毒劇物については身分証明書で氏名及び住所を確認した後でなければ販売することができません。(第3条の4 第15条)

表示 医薬用外 「劇物」(赤地に白色の文字で記載)
医薬用外 「毒物」(白地に赤色の文字で記載)
医薬品と誤って服用しないこと。
(財)日本中毒情報センター 〒305-0005
茨城県つくば市天久保1-2 つくば総合健診センター内
つくば中毒110番 0990-52-9899
(大阪中毒110番 0990-50-2499)


参考(タリウムについて)
タリウム thallium (ギリシア語で緑の小枝)
原子番号 81  原子量 204.38  元素記号 Tl
周期表 13族 6周期  白色金属(金属元素)
化合物(毒劇物取締法で劇物に指定されているもの)
酢酸タリウム(殺人未遂事件に使用?)
硫酸タリウム(殺鼠剤として使用)
硝酸タリウム
消化管・皮膚・呼吸器から吸収される
ヒト 致死量 1g (ヒト経口最小致死量 3mg/kg)
少量  嘔吐・食欲不振
重篤  発熱・けいれん
その他 脱毛(1~3週)・腎障害
中毒の処置
催吐(吐根シロップ)→活性炭による胃洗浄
トコン~ブラジルなど南米原産の樹木の根・根茎
胃洗浄・活性炭投与・塩類下剤投与・皮膚粘膜洗滌
排泄促進
KCl 3~5g/日  5~10日間投与

K4Fe(CN)6・3H2O  
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム・3水和物
フェロシアン化鉄(pottassium ferric hexacyanoferrate(Ⅱ))
prussian blue (ベルリン青)
腸管内でタリウムに結合して体内への吸収を抑制する
(胃腸管捕捉剤として与える)
250mg/kg/day 2~4回 経鼻チューブで投与

マスコミ報道における医薬品の副作用の伝え方について一考の余地あり…

インフルエンザ治療薬について

Q.インフルエンザの治療にはどのようなお薬が使われるのでしょうか?

A.インフルエンザにはウイルスの型によってA型、B型、C型の3つに大別されます。一般的に流行しているのはA型とB型で、治療に用いられる薬も主にこの2種類について効果があるものを治療薬として使用しています。

Q.具体的にはどんなお薬がありますか?

A.まず、昔からよく使用されている抗ウイルス薬の塩酸アマンタジンという薬剤があります。ウイルスの一部分が細胞の核の中に入り込むのを防ぎ、効果があらわれると考えられています。ただし、A型インフルエンザウイルスにしか効果がありません。副作用としては、昏睡などの意識障害、幻覚、妄想、せん妄、錯乱などの精神神経様症状があらわれることがあります。また、このお薬はパーキンソン病や脳梗塞の後遺症にも使われています。いろいろな使い方をする薬剤なので、お薬の説明を受ける際に医療機関や薬局で薬の説明書きを渡されることがあると思いますが、場合によっては自分の症状についての効能や効果についての表現が必ずしも的確でないことがあります。よくわからない場合には、医師や薬剤師に訊いてみましょう。少し話はそれるのですが、たまたま今年の佐伯区民祭りで(広島佐伯薬剤師会は毎年健康コーナーにブースを出しています)お薬相談にこられた方の中に似た事例があったので紹介します。塩酸アミトリプチリンというよく使われている抗うつ薬があるのですが、お子さんのお薬の説明書きを持参されて「うちの子は精神神経科のお薬を服用するような病気なのでしょうか?」という問い合わせを受けました。お話を伺ってみると、どうやら夜尿症(オネショ)、遺尿症(おしっこが残っていて無意識のうちに失禁してしまう病気)に使われていることがわかりました。この塩酸アミトリプチリンというお薬は、小児の夜尿症に使われているので医療関係者の間ではごく標準的な処方なのですが、たまたま日曜日で病院や薬局が閉まっていた為に問い合わせすることができなかったために、偶然?その場に居合わせた私がお答えすることになりました。納得していただきました(と、返答した本人は確信しています。)ですから、もしもお薬のことでわからないことがあれば、ほかの医療機関や薬局、薬店でいただいた物でも構いませんからどんどん薬剤師にお尋ね下さい。

Q.その他にも使われるお薬はありますか?

A.A型とB型のインフルエンザウイルス両方に有効とされているお薬があります。ザナミビル水和物という外用の吸入薬です。専用のディスクヘラーと呼ばれる吸入器を使って吸入します。吸入器にお薬が入った円形のディスクをセットして使用します。詳しい使用方法は、医療機関や薬局で医師や薬剤師にお尋ね下さい。1枚のディスクに4箇所のふくらみがあり(昔あったマーブルチョコの包装を想像していただけるとわかりやすいかもしれません。)それを1回に2箇所つぶしてセットし、1日に2回吸入します。(つまり1日に4箇所をつぶして使用するので、1枚のディスクが1日分になりますよね。)それを5日間続けます。ただし、吸入薬は使用される方によっては体内にきちんと吸収されないこともあります。(例 呼吸が弱くうまく吸い込むことができない)また、現在のところ成人にしか使用できないことになっています。副作用として特徴的なものは、気管支のれん縮や呼吸困難などがあります。
そして、最近よく使用されている内服薬(飲み薬)としてリン酸オセルタミビルがあります。この薬剤もA型とB型のインフルエンザウイルスの両方に効果があるとされています。標準的には1日2回5日間服用します。カプセルとドライシロップ(粉薬)の2種類の剤形があり、ドライシロップは主に小児用に使用されています。リスナーの方の中にもテレビやラジオなどの報道でこのお薬の名前を聞かれた方も多いのではないでしょうか?日本では、所謂、鳥インフルエンザ対策で厚生労働省が中心となって国家主導で2500万人分を備蓄する体制をとる予定にしているが、数が足りないであるとか、また、薬を服用した少年が精神神経症状の副作用により、異常行動を起こして自動車事故などによって死亡してしまったなどのネガティブなイメージがあるかもしれません。しかしながら、お話してきたように副作用を恐れて薬を服用しないことによってインフルエンザウイルス感染が原因で死亡するリスク(危険性)と、きちんと予防接種受けることやお薬を服用する事によって、感染を防ぐ、もしくは仮に感染しても症状を抑えられるベネフィット(利益)を比較すると、どちらがよいと皆さんは考えられますか?
インフルエンザの症状に効果がある薬剤についてお話させていただきましたが、先程のお薬は発症してから2日(48時間)以内に服用(使用)しなければあまり効果が期待できません。早めに医療機関を受診して下さい。また、特にインフルエンザの疑いがある場合には発熱があるからといってむやみに解熱を行うと重篤な症状を引き起こすことがあります。特にお薬を使って熱を下げる時に気をつけていただきたいのは、ジクロフェナクナトリウムという成分を含むお薬を使用してはいけないということです。ウイルスに感染していて、インフルエンザ脳炎・脳症と呼ばれる状態にあるときにこのお薬を使用すると、脳血管が損傷して、その後の経過が非常に悪い(最悪の場合、死亡)という報告が出ているためです。このようなことを防ぐためにも、お薬は医師や薬剤師の指示に従い、用法・用量を守って正しく使用して下さい。
(著者注)
この原稿は2005年時点での原稿であり、現在ではザナミビル水和物は小児にも使用できるようになりました。

October 15, 2005

パーキンソン病のくすり

パーキンソン病のお薬について(PART Ⅰ)

Q.パーキンソン病とはどのような病気なのでしょうか?

A.パーキンソン病は、高齢者に多くみられる疾患です。特徴的な症状としては、筋固縮(筋肉が硬くこわばる) 振戦(手が細かくふるえる) 無動(無表情 動作がゆっくりとなる 前かがみになってつまずいたり転びやすくなったりする)などがみられます。脳の神経のひとつである錐体外路系とよばれる部分に異常が生じることで発症します。この錐体外路系は筋肉の運動をつかさどっており、異常が生じると運動障害があらわれます。 ただし、根本的な原因がはっきりわかっていない疾患で、脳内の大脳基底核黒質線条体系のドパミン神経が変性することによって発症するといわれています。脳の神経を伝達する物質の中にドパミンという物質があり、それがシナプスという神経回路を通じて脳からの指令を組織に伝えることによって筋肉を動かす働きが行われると考えられているのですが、パーキンソン病の方の場合にはこのドパミンが少なくなって先程お話したような症状が現れてきます。

Q.治療に使われるお薬にはどのようなものがありますか?

A.脳内のドパミンという物質が不足していることに起因している疾患なので、基本的には、ドパミンを補うことで治療を行います。また、薬剤による治療とともに、筋肉が固縮するのを少しでも防ぐためにリハビリテーションを行うことも、非常に重要です。これによって、個人差はありますがかなり日常生活のレベルを保つことが可能です。(少し話は変わりますが)医師による治療方針を基本として、看護師による看護は勿論のことですが、薬の服用や管理は薬剤師に任せ、リハビリに関することは理学療法士や作業療法士などの専門職の指導や訓練を受けるというのはとても大切なことです。

Q.では、薬を服用する際に、どのような工夫がありますか?

A.パーキンソン病の治療薬を服用されている方は、(これはこの病気に限ったことではないのですが)数種類を併用する場合があり、また一日に数回飲まなければならないことが多いので、一度に内服薬の包装から錠剤やカプセルを出す作業を何度も行わなければなりません。ところが、特に手のふるえがおこっている際に、これは非常に難しくてお薬を飲むのを離脱して(止めて)しまう方が多いのです。そこで、一回分のお薬を予め包装から出してひとつの袋にまとめてお渡しすることがあります。(これを一包化と言います)ただし、薬剤によっては、光に当たると変質してしまうものや、吸湿性が高く湿気を避けて保存しなければならないもの、それから、散剤や顆粒剤などの粉薬でほかの薬と混ぜると色が変わってしまったり、効果が落ちてしまったりするものもあります。これらは専門家である薬剤師が組み合わせを考えて調剤いたしますので、薬局でお薬をお渡しする時にお時間をいただくこともありますが、安全かつ治療効果をあげるためには、必要不可欠なことですから皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

パーキンソン病のくすり

パーキンソン病のお薬について(PART Ⅱ)

Q.パーキンソン病の治療に使われるお薬には、具体的にはどのようなものがありますか?

A.まず基本薬として使用されるのが、レボドパというドパミンの素になる物質です。この薬剤は脳内でドパミンに変換されて効果が現れると考えられています。何故ドパミンそのものを投与しないのかというと、ドパミンは血液―脳関門と呼ばれている部分(血管を介して脳に入ってくる物質を選別するいわば関所のような部分)を通過できず、効果が期待できないからです。副作用としては、食欲低下や吐気があらわれることがあります。最近はレボドパとカルビドパ、レボドパとベンセラシドといった他の物質を併せた配合剤もよく使われています。これらのお薬は先程の血液-脳関門を通過させやすくして、脳内により多くの薬効成分を送りこむことができるように工夫した薬剤です。
ドロキシドパはノルエピネフリンという神経伝達物質の素になる薬剤で血液-脳関門を通過し、レボドパですくみ足や無動(動作がゆっくりとなる)の改善が不十分な症状に使われます。ドパミン系神経と競合する神経を抑えることで効果があらわれると考えられています。血圧を上昇させる副作用が起こることが多いので、このような場合は直ちに医師、薬剤師にお知らせ下さい。
また、カベルゴリン、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸ペルコリド、塩酸タリペキソールなどはドパミン受容体作用薬と呼ばれ、ドパミンを受け取る鍵穴の部分増やすことで効果があらわれると考えられています。これらは、パーキンソン病だけでなく、乳汁分泌の抑制や一部の排卵障害に使用されることもあります。
それから、抗コリン薬と呼ばれる分類のプロフェナミン、ビペリデン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸メチキセン、塩酸ピロヘプチン、塩酸マザチコールなどは筋固縮と振戦に効果が高いといわれています。副作用としては口の渇きや、尿閉(尿がでにくくなる)、便秘などがあらわれる場合が多いです。

Q.他にはどのようなものがありますか?

A.モノアミンオキシダーゼB阻害剤といわれる塩酸セレギリンと呼ばれる薬剤は、レボドパと併用されます。このお薬は、ドパミンを分解する働きのある酵素を阻害してドパミンの量を増やすことで効果を発揮すると考えられています。マレイン酸フルボキサミンや塩酸ミルナシプラン、塩酸アミトリプチリンなどの一部の抗うつ薬との飲み合わせが良くない場合があるので、このようなお薬を服用中の方は、医師や薬剤師にお知らせ下さい。
そして、抗ウィルス薬の塩酸アマンタジンという薬剤もパーキンソン病によく使われています。ドパミン神経からのドパミン放出を促進させることによって効果があらわれると考えられています。このお薬で特徴的なのは、A型インフルエンザウィルス感染症や脳梗塞後遺症にも使われていることです。同じお薬でも色々な病気に使われています。薬局で薬剤師に病気について聞かれることがあるのは、このように様々な使い方のある薬の使いかたや効果について正しくお伝えするためでもあります。病院で医師に病気のことは聞いているから薬局で話す必要は無いという方が時々おられますが、適切にお薬を使用していただくためにも皆様のご協力を是非とも宜しくおねがいします。

花粉症のくすり

花粉症とアレルギーの薬について(partⅠ)

Q.花粉症とはどのような病気ですか?

A.人間の体には免疫機能が備わっています。有害な物質を排除するはたらきのことです。花粉症はスギやヒノキなどの花粉を一定量(人によって個人差があります)取り込むことにより、体内の抗原という物質が花粉を異物と認識して抗体を作り体外へ追い出そうとすることにより発症する疾患であると考えられています。花粉症はIgEという抗体を作るⅠ型アレルギーに分類されています。抗体がマストセル(肥満細胞)と結合するとヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキサンといったケミカルメディエーターが放出され、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こします。くしゃみ・鼻水にはヒスタミンが大きく関わり、鼻づまりにはロイコトリエンが関係していると考えられています。
例えば、スギ花粉の飛散量は、前年の夏の平均気温や降水量によって決まると言われていますが、地球の温暖化の影響で年々全国的に花粉飛散開始日は早くなっている傾向があります。勿論、花粉数の多い年と少ない年があるのですが、2005年は特に多いと予測されています。
薬剤による治療も大切ですが、日常生活で花粉を避けることも非常に大切です。花粉の多く飛びそうな時刻はなるべく外出を控え、また外出の際には眼鏡やマスクをし、帰宅時にはうがいや洗顔をこまめに行うことで症状を抑えることができます。

Q.主にどのような症状が出るのでしょうか?

A.くしゃみ、鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)、目の痒みなどが主な症状です。

Q.どのようなお薬が使われるのでしょうか?

A.症状を和らげる為に、内服薬(飲み薬)や点眼薬(目薬)、点鼻薬(スプレー、吸入薬等)が主に使われます。治療薬は病型と重症度によって選びます。病型は、大きく分けてくしゃみ・鼻汁(鼻水)型、鼻閉(鼻づまり)型の2つに分類されます。
くしゃみ・鼻水型には基本的に抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬剤を使用します。ケミカルメディエーター遊離抑制薬という分類に属する薬剤はくしゃみ・鼻水型の軽症~中等症に用いることが多く、中等症~重症例には局所ステロイド剤を追加して使用する場合があります。
これに対して鼻閉型(鼻づまり)では、先程お話した抗ヒスタミン薬やケミカルメディエーター遊離抑制薬は主に軽症例に使用される場合が多いです。そして、鼻閉型の中等症にはロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬、局所ステロイド剤を用い、重症例ではこれに加えて点鼻用の血管収縮薬を使用します。
一般にアレルギーを抑える内服薬は、花粉の飛散する時期の直前から予防的に投与し、花粉の飛散が終わる時期まで継続して使用します。また、症状のひどい場合には内服ステロイド薬を短期的に使用します。ステロイド薬は中止するときにも徐々に量を減らしていく必要があります。しかし、副作用などを恐れて勝手に量を減らしたり、急に中止したりするとかえって症状が悪化する場合もありますので(これはステロイド剤に限らず医薬品を使用する際は)医師や薬剤師の指示の下で正しく使用してください。

花粉症のくすり

花粉症とアレルギーの薬について(partⅡ)

Q.具体的にはどんなお薬がありますか?

A.まず、内服薬ですが、ラマトロバンというお薬は、TXA2受容体拮抗薬と呼ばれる分類に属しており、症状の改善には約4~8週間かかりますが鼻づまりに対する効果が高いと言われています。
トシル酸スプラタストはTh2サイトカイン阻害薬で4~6週間で効果を発現します。
プランルカスト水和物という薬剤は、LT拮抗薬と呼ばれ鼻の粘膜の腫れを抑える効果に優れており、服用後1週間ぐらいで効果が現れると考えられています。
ケミカルメディエーター遊離抑制薬(酸性抗アレルギー薬)という分類のお薬は肥満細胞に作用してくしゃみ・鼻水・鼻づまりに効果があり、アレルギーの薬に特徴的な眠気や口渇の副作用も少ないのですが、効果発現に1~2週間かかるといわれています。クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アンレキサノクス、ペミロラストカリウムなどのお薬があります。妊婦または妊娠の可能性のある方では服用できないものや、副作用として残尿感や血尿などの膀胱炎様症状が発生するものもあります。
抗ヒスタミン薬(塩基性抗アレルギー薬)は主にくしゃみや鼻水に効果があり、効果の発現も早いのですが、持続時間が短く眠気などの副作用があらわれやすいというデメリットがあります。最近は、効果が持続し眠気などの副作用を抑えた新しい治療薬も発売されています。具体的には塩酸エピナスチン、塩酸オロパタジン、塩酸セチジリン、塩酸フェキソフェナジン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメスタジン、エバスチン、オキサトミド、メキタジン、ロラタジンなどの薬剤があります。これらは他の薬剤や飲食物との飲み合わせが好ましくないものがあります。アルコールや向精神薬、抗生物質の中でマクロライド系と呼ばれるもののうちエリスロマイシンなど一部の薬剤やH2ブロッカーといわれている胃酸を抑える働きのあるシメチジンというお薬との併用が好ましくないものもあります。詳しくは、医師や薬剤師にお尋ねください。

Q.では、目薬や点鼻薬にはどのようなものがありますか?

鼻閉(鼻づまり)に対して塩酸トラマゾリン、硫酸ナファゾリンなどの点鼻用の血管収縮薬を使うことがあります。但し連用すると鼻粘膜の腫脹(腫れ)を悪化させる場合があるので、症状が強い時の短期間の使用にとどめます。また、鼻の粘膜の炎症を抑えるために、プロピオン酸ベクロメタゾンやプロピオン酸フルチカゾンなどの点鼻のステロイド薬も使われています。
また、先程お話した抗ヒスタミン作用やケミカルメディエーター遊離抑制作用を持つものも使われます。1日4回(朝、昼、夕、寝る前)使うタイプの薬剤や、1日に2回使用するものなどこれもお薬の種類によって異なります。外用薬だからといってむやみに使用するのは非常に危険です。例えば点眼剤の中には、保存剤である塩化ベンザルコニウムという物質を含むことによりソフトコンタクトレンズを装着したまま使用するのが好ましくないものもありますし、一般に点鼻薬は事前によく鼻をかんでから使用しなければ患部にあまり到達せず効果が期待できません。医薬品は用法、用量を守り医師や薬剤師の指示に従って正しく使用しましょう。

緑内障と白内障のくすり

緑内障と白内障のお薬について

Q.緑内障とはどのような病気ですか?

A.眼圧と言われる眼球の圧力が高まって視力が低下したり、視野が狭くなったりする疾患です。ときに激しい目の痛みや頭痛がおこることがあります。

Q.具体的にはどのようなお薬が治療に使われますか?

A.眼圧を下げるためのお薬が使われます。最もよく使われているのが塩酸ピロカルピンと呼ばれている点眼剤です。これは副交感神経に作用し毛様体筋、括約筋といった目の中の筋肉に作用して房水を流出させて眼圧を下げる働きがあります。点眼してから暫く目を閉じて目頭を軽く押さえておくと効果が上がると考えられています。

次にβ遮断薬といわれる目薬があります。マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸ベフノロール、塩酸ベタキソール、塩酸レボブノロール、ニプラジロールといったお薬がありますが、眼圧を上げる原因となる房水の産生を抑えることで緑内障の症状を抑えます。これらのお薬は、気管支喘息や心疾患を悪化させる場合があるので、既往症のある方は医師や薬剤師にその旨をお知らせ下さい。

先程のお薬で効果が十分にあらわれない場合には、交感神経に作用して効果をあらわすエピネフリンや塩酸ジピベフリンと呼ばれる点眼薬を用います。血管を収縮させて房水の産生を抑制する作用と流出させる作用の両方の働きがあります。他に、房水の流出を促すお薬として塩酸ブナゾシンと呼ばれる目薬もありますが、これも他のお薬で効果が十分でない場合に使用されます。

また、房水を流出させる作用のあるイソプロピルラノプラストンやラタノプロストといった点眼剤がありますが、保存する際に冷蔵庫などの冷所で保管していただく必要があります。また副作用として角膜障害が起こることがあるので、一度に1滴以上点眼しないようにしましょう。もし霧がかかったように見えたり、異物感や目の痛みを感じたりした場合には直ちに医療機関を受診して下さい。妊婦の方や授乳中の方は使えませんので、医師・薬剤師にお知らせ下さい。
塩酸トルゾラミドという点眼剤は(炭酸脱水酵素阻害剤)房水の産生を抑制して、眼圧を下げる働きがあります。また同じような成分のメタゾラミド、アセタゾラミド、ジクロフェナミドというお薬は内服(飲み薬)で眼圧を下げる効果があります。注意しなければならない点は、アスコルビン酸というビタミン剤(ビタミンCの一種)を同時に服用すると尿路結石が起こる場合がありますので食品やサプリメントからの過剰摂取は避けて下さい。

それから急激に眼圧が高くなった時の応急処置としてグリセリンやイソソルビドといった内服薬を使用することがあります。このお薬は糖尿病の方の血糖値を上昇させる場合があるので、医師や薬剤師の指示を守って正しく服用してください。

Q.では白内障という病気と使われるお薬について教えてください。

A.白内障は、目の中でレンズにあたる水晶体という器官が白濁(白く濁ること)することによってまぶしく感じる、かすんで見える、暗くなると見えにくいといった症状が出る疾患です。殆どの方が加齢によって生じる老人性白内障を発症しますが、根本的には手術によって治療します。目薬では根治せず、進行を遅らせることを主な目的としています。

治療に使われるお薬ですが、ピレノキシンというお薬は水晶体の中で濁りをおこす物質とタンパクが結合するのを防ぎ効果を発揮すると考えられています。使用前に錠剤や顆粒を溶かして使い、冷蔵庫などの冷暗所に保存するものや、使用前によく振って使わなければならないものもありますので医師や薬剤師の指示を守って正しく使用・保管して下さい。
またグルタチオンという目薬は水晶体に不足している物質を補給して白内障の進行を遅らせる作用があると考えられています。
他には内服薬で唾液腺ホルモンから作られたお薬があるのですが、これは水晶体内のタンパクを分解させる物質によって水晶体の透明性を保つ働きがあり白内障に効果があると言われています。

Q.これらのお薬を使う時の一般的な注意事項はありますか?

A.たとえ点眼剤でも全身性の副作用があらわれる可能性があります。特に気管支喘息・心疾患・高血圧・糖尿病の既往症のある方は特に注意する必要があります。また、妊婦や授乳婦の方も同様です。それから目薬はむやみに使用しても効果に変わりはありません。(目の中には1~2滴以上点眼しても外に流れ出すだけであり、回数や量を多く点眼すればよく効くというものではない)一部のものでは先程お話したように使い方を誤ると副作用があらわれる場合もありますので、医師や薬剤師の指示に従い、用法・用量を守って正しく使用・保管して下さい。

頻尿・尿失禁と前立腺肥大症のくすり

頻尿・尿失禁と前立腺肥大症のお薬について


Q.では頻尿や尿失禁に使われるお薬について教えてください。

A.まず頻尿、尿失禁に使われるものとして塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリンという薬剤があります。これらは膀胱の平滑筋という筋肉に作用して排尿障害を改善します。ただし緑内障の既往のある方は服用してはいけません。必ず医師にお伝えください。また気管支ぜんそくや消化器の痙攣を抑えるお薬の中に抗コリン薬というカテゴリーに分類されるものがあるのですが、そのような薬を服用中の方、それからうつ病の治療薬の中の三環系と呼ばれる分類に属する薬剤を服用中の方は、口渇、便秘などの作用が出るおそれがあり、慎重に投与する必要がありますので医師、薬剤師にお伝え下さい。また塩酸フラボキサートというお薬にも排尿回数を減らす作用があり、主に慢性前立腺炎や慢性膀胱炎に使用されます。

Q.前立腺肥大症とはどのような病気ですか?

A.前立腺肥大症は、尿道が狭くなることによって排尿困難や残尿感を主な症状とする疾患です。特に高齢者の男性はほとんどがこの病気になると言われています。

Q.治療に使われるお薬にはどのようなものがありますか?

A.酢酸クロルマジノンという薬剤があります。このお薬で特徴的なのは1日に50mg服用では前立腺肥大症に使われ、また1日に100mg服用では前立腺癌に使用されています。このように量によって使用目的が異なるお薬もありますので、服用する際には用法・用量を守り、医師・薬剤師の指示に従って正しく使用して下さい。(処方されている薬に限らず、市販の薬も含めて医薬品はその人の症状や年齢などを考えて選択されており、人にあげたり、勝手に量を調節して服用したりすることは大変危険なので絶対にやめて下さい。)

他にセルニチンポーレンエキスなどの植物エキス(数種類の花粉のエキスを混合したもの)を主成分とするお薬があり、前立腺肥大症の初期に残尿感や頻尿の改善に用いられます。
また、最近よく使われている塩酸タムスロシン、ナフトピジルといった薬があるのですが、これらは尿道や前立腺にあるα₁ 受容体という部分を遮断することによって効果があらわれ前立腺肥大症による排尿障害を改善すると考えられています。先程の塩酸タムスロシンというお薬は、もともと血圧を下げるお薬を研究・開発をしていたところ排尿障害に効果があることがわかり、前立腺肥大症の薬として発売されたという経緯があります。
ですので、前立腺肥大症、排尿障害のお薬として服用しても(血圧を下げる効果はもちろん無くなったわけではないので)副作用としてめまいやふらつきがあらわれることがありますので注意して下さい。また他に血圧を下げるお薬や利尿薬を服用されている方は降圧作用が増強される(血圧をさげる働きが強く出すぎて低血圧がおこる)場合があるので、必ず医師や薬剤師にその旨をお伝え下さい。

それから、排尿困難や頻尿に漢方薬を用いる場合があります。
排尿困難には八味地黄丸(ハチミジオウガン7)や牛車腎気丸(ゴシャジンキガン107)がよく使われます。
夜間頻尿には清心蓮子飲(セイシンレンシイン 111)を使用する場合があります。
腰の冷えを伴う頻尿には苓姜述甘湯(リョウキョウジュツカントウ 118)を使うこともあります。
ただし、漢方薬は漢方医学特有の(陰・陽 虚・実 表・裏 寒・熱 体質や体型、病態の時期)「証」といった考えかたにもとづいて薬を選択しなければなりません。ですからこの「証」が合わないと同じような症状の方でも全く効果があらわれない場合がありますので、漢方に詳しい医師や薬剤師の問診や診察を受けて適切なアドバイスをしてもらいながら使用するのが効果的です。

リウマチのくすり

リウマチ性疾患のお薬について

Q.リウマチとはどのような病気なのでしょうか?

A.リウマチ性疾患と呼ばれている病気には慢性関節リウマチ、変形性関節症、ベーチェット病、全身性エリテマトーデスなどがあります。症状で特徴的なのは関節の腫れや痛みがあらわれ、ひどくなると関節の変形が起こります。原因ははっきりとわかっていないのですが、自分の身体を守るためにある体内の免疫機能に異常が起こり自分の身体を攻撃する物質が出来てしまう自己免疫疾患と呼ばれる病気であると考えられています。

Q.では、どのようなお薬が治療に使われるのでしょうか?

A.まず、よく使われているのが、非ステロイド性抗炎症剤と呼ばれているお薬です。関節の炎症を抑え、痛みを和らげるために使用します。具体的にはアスピリン、ロキソプロフェンナトリウムやインドメタシン、ジクロフェナクナトリウムといった薬剤があります。炎症の原因となるプロスタグランジンという物質の生成を抑えることで効果が発現すると考えられています。副作用として胃腸障害(胃炎や胃潰瘍)があらわれることがあります。

症状が緩和されてきても病気そのものが進行している場合、緩解導入(症状を和らげる)のために抗リウマチ剤と呼ばれる薬が使われます。この種のお薬は効果があらわれるまでに2~3ヶ月かかるので、効かないからといって勝手に薬を飲むのを止めないようにして下さい。まず、オーラノフィンという薬剤がありますが、副作用としては皮膚の痒みがあらわれることが多いのでこのような症状があらわれた場合はすぐに、医師や薬剤師に報告して下さい。ペニシラミン、ブシラミンというお薬も使われますがこれらは抗生物質のペニシリンとよく似た形をしているので、ペニシリンアレルギーのある方は使用されない方が良いかもしれません。(ちょっと話がずれますが薬局に行った時に質問カードに記入したり、アレルギーなどのことを聞かれたりするのはこういったことに対処するためでもあります。時々、病院で同じことを聞かれたからもう記入しなくても良いですよね?と言われる方がおられますが、先程のように薬剤師は薬の構造がこういう形をしているからアレルギーの起こる可能性があるかもしれないという見方もしていて、医師とは少し違う視点・観点から考えている場合もありますので〈どちらが正しいとかそういうことではなく〉安全にお薬を使うためには皆さんのご理解とご協力が是非必要になりますので宜しくお願いいたします。)
Q.他にはどのようなお薬がありますか?

A.ロベンザリット二ナトリウム、アクタリットなどは免疫系を調節して症状を抑える働きがあります。先程の非ステロイド性抗炎症薬と一緒に服用する場合が多いです。全体的に副作用は少ないのですが、重症例にはあまり効果的ではなく、主に軽症例に用いられます。それからサラゾスルファピリジンというお薬も使われていますが、皮膚の痒みや貧血などがあらわれることがありますし、サルファ剤やサリチル酸といったお薬にアレルギーのある方はこの薬剤は使用できませんので受診時に医師にその旨をお伝えください。またこのお薬の特徴的な副作用として、精子減少症がみられることがあります。これはお薬を中止して2~3ケ月でおさまりますので問題は無いのですが、子供が欲しいと望まれる男性の場合は医師、薬剤師にご相談下さい。
プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンといったステロイドの内服薬を用いる場合もあります。炎症にはかなり効果があるのですが、長期に使用すると骨がもろくなってしまうことがあります。その他にも、ムーンフェイスと呼ばれる顔が腫れたようにみえる副作用などもあります。また関節の腫れや痛みを和らげる為にファルネシル酸プレドニゾロンという塗り薬のステロイド外用剤も使用されます。飲み薬や注射薬に比べれば全身性の副作用は少ないのですが、塗り薬だからといって長期にわたって大量に使用すると先程お話したような副作用があらわれることもありますから、医師、薬剤師の指示に従って正しく使用してください。(これは私の個人的な見解として聞いていただきたいのですが、時々ステロイドを異常に怖がったり嫌われたりする方がいらっしゃいます。しかし医師や薬剤師の管理の下できちんと使用すれば効果が高く、治療コストが安いという経済的なメリットもありステロイド剤はうまくつかえば非常に良いお薬だと思います。但し自分の判断で勝手に中止したり量を減らしたりするとリバウンド現象といってかえって症状が悪化することもあるのでそれだけは絶対に止めて下さい。)

それから他の薬で治療が困難な場合や効果がみられない場合、免疫抑制剤のメトトレキサートというお薬を使用することがありますが、服用方法が複雑で初日から二日目にかけて12時間おきに1カプセルずつを3回服用して残りの5日間は休薬(薬を飲まない)し、これをワンクールとして繰り返します。(一週間のうち最初の2日間で3カプセル飲み、残り5日間は薬を飲まない。これを毎週繰り返していく。)細胞の中の核酸という物質が作られるのを妨げて効果があらわれると考えられています。細胞を攻撃する作用があるということは当然副作用も起こりやすいので、服用中に発熱、息苦しい、体がだるいなどの症状があらわれた場合には直ちに医療機関を受診してください。また妊娠する可能性のある女性が服用する場合は服用中及び服薬終了後1ヶ月間は妊娠を避けるように注意してください。また男性の場合には服用中と服用終了後3ヶ月間は配偶者の方が妊娠を避けるようにしてください。

骨粗鬆症のくすり

骨粗鬆症のお薬について

Q.骨粗鬆症とはどのような病気なのでしょうか?

A.骨粗鬆症とは骨をつくる働きと骨を破壊する働きのバランスが崩れ、骨の量が減少する病気です。カルシウムなどを摂取することによりある程度予防することも可能ですが、特に高齢者の女性では多くの場合骨密度が低くなっているのでお薬で治療されている方が多いです。

Q.どういった症状が出るのですか?

A.無症状のことも多いですが、転倒により簡単に骨折してしまったり、骨痛(骨の痛み)を訴えたりすることもあります。ひどい場合には咳をしただけで骨折してしまう場合もあります。

骨粗鬆症予防のために食品からもカルシウムやビタミンDを普段から摂取することも大切です。カルシウムの一日必要量は600mg(成人)です。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、煮干しや小魚などに多く含まれています。ビタミンDの一日必要量は100IU(成人)です。きくらげ、さけ、うなぎ、まぐろなどに多く含まれています。

Q.治療に使われるお薬について教えて下さい。

A.まずカルシウムの補給を目的として、L―アスパラギン酸カルシウムやリン酸水素カルシウムといったカルシウム製剤を服用することがあります。但し一日にたくさん服用しなければならず、飲み続けるのが難しい場合があるかもしれません。
そして、最も多く使われているお薬にアルファカルシドールやカルシトリオールといったビタミンD製剤があります。ビタミンDを服用すると腸管からのカルシウムの吸収が良くなり骨量の維持、増加を助ける働きがあります。マグネシウムを含む胃薬などを服用されている方は血液中のMg量が増えてしまう場合もあるのでその旨をお伝え下さい。
他にメナテトレノンというビタミンKの内服薬を使うこともあります。これは骨のもとになるタンパクを生成する作用が骨粗鬆症に有効であると考えられています。このお薬はワルファリンカリウムという血液を固まりにくくする薬の働きを弱めるので、服用中の方は医師、薬剤師にお知らせ下さい。
Q.他にはどのようなものがありますか?

A.その他、イプリフラボンというお薬は骨量減少を抑制する作用があります。エストロゲン(女性ホルモン)製剤や喘息治療薬として用いられているテオフィリンというお薬の作用が増強(強くあらわれる)場合もありますので注意して下さい。

閉経後の骨粗鬆症に使われる女性ホルモンの働きを持つエストリオールというお薬があります。(飲み薬、貼り薬)骨量を増加させる作用もありますが、乳癌の既往症のある方は悪化や再発の可能性もがありますし、また糖尿病の血糖値を下げるお薬の働きを弱めることもあるので医師、薬剤師にその旨お伝え下さい。

最近よく使われているお薬にビスホスフォネート製剤というものがあります。これは、骨を壊す細胞を抑制して骨量を上げる作用のあるお薬です。少し前まで使われていたエチドロン酸二ナトリウムというお薬は吸収が悪く服用の前後2時間は食べ物を摂取できない、2週間服用して10~12週間休薬(お薬を休む)する必要があるなど服用される患者さんは勿論、治療や投薬にあたる医師や薬剤師などの医療スタッフにとっても色々使い辛い部分があったのですが、今は一日に一回起床時に服用していただくタイプのアレンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物というお薬が登場してかなり使いやすくなりました。ただしこのお薬も少し多めの水で飲んでいただき、そして服用後30分は水以外の食べ物や飲み物を摂取することができず、横になってはいけないなどの制限があり、服用方法も難しいのでよくわからなくなった場合は、気軽に医師や薬剤師にお尋ね下さい。
また、塩酸ラロキシフェンという飲み方に制限の無いお薬も発売されてさらに便利になりました。SERMs(selective estrogen receptor modulator)と言われる先程お話したエストリオールと同じような働きを主に骨の中だけで行うのでより安全性が高く、効果も高いと考えられています。(但し、新しいお薬はまだ報告されていない副作用が起こる可能性もあるので、もし服用中に何か変化を感じた場合は医師や薬剤師に報告して下さい。薬で副作用が疑われる場合には、医師や薬剤師などの医療関係者は厚生労働省に報告しなければならない法的な義務があります。こういった報告を集めることによって医薬品による副作用や被害を最小限に抑えることができ、より安全な医療が行われるようになりますので皆様のご理解とご協力の程宜しくお願いします。)

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